あけましておめでとうございます。
昨年は月末近くまでホームインスペクションの予定があって、例年になくあわただしい年末になりました。
弊社は本日が仕事始めになりますが、明日からホームインスペクションの予定が入っていて、良いスタートダッシュを迎えられそうです。
さて、国内では空き家が年々増え続けていて、様々な社会問題を引き起こしています。
その一方で新築住宅着工戸数は、人口や世帯数の減少、空き家件数増加の割に減少していないのが現状です。
住宅着工件数の多くの割合を占めているのは実は貸家だそうで、全体の半数近くを占めるといいます。
人口が減り、空き家が増えているのに新築住宅着工件数が減らない理由とは?
なぜ「高齢化社会を迎えて若年層が減少している我が国にあって、新築の貸家が増えるのか」疑問に思う方が多いのではないでしょうか。
どうやら要因のひとつとして、高齢者の増加が深く関わっているそうです。
高齢者の中には、多くの資産を抱えていて相続に悩む方が増えているといいます。
自身の所有する現金を不動産に替えたり、土地を有効活用したりすることで、相続評価額を圧縮し、相続税を節税しようという動きが顕著になっている様です。
資産の継承を目的とした不動産投資が増えるのはなんとなく理解できるのですが、貸家としての収益性や社会的な意義とは関係なく、自らの相続対策のみが目的で貸家の建設が増えているとしたら、尋常ではありません。
平成バブル期にはサラリーマン向けに一時期ワンルームマンション投資がブームになりましたが、平成も今年終わりを迎えます。
そろそろ我が国の「空き家対策」に向けて、国全体が本気で舵を切らないと、大変なことになりそうです。
不動産業者や建築業者、建築設計事務所などで、空き家の有効活用に真剣に取り組んでいるのは、ほんの一握りといって良いでしょう。
手間のかかる空き家の有効活用よりも、より収益率の高い新築貸家を狙った方が儲かるので、企業としては当然なのかもしれません。
しかしその先に何があるのか、良く考えて欲しいものです。
また、国の中古住宅流通活性化の施策も、相変わらず中途半端な状態が続いています。
今年は、我が国の空き家対策を本気で考える一年にしたいと思います。